新米店長 第一話「素人だからこそ」

2020年3月10日

新米店長の音楽スタジオ奮闘インタビュー
第1話「素人だからこそ」

スタジオエチュード引山店

——  スタジオエチュード引山店の石浦店長、よろしくお願いします。

石浦  よろしくお願いします。

——  20201月から店長になられたとお聞きしていますので、今時点で2ヶ月のフレッシュな(笑)店長さんなんですね。

石浦  はい(笑)

——  音楽スタジオというと、普段の生活からは少し特異な場所だと思いますが、石浦店長はこういった業界でもともと働いていたんですか?

石浦  いえ。全くの初めてなんです。

——  えー、全くの初めて!?

石浦  はい。新米店長です(笑)

——  てっきり風貌からは長きにわたって、業界に精通した方だと思ってました。

石浦  (笑)

——  逆に、これまではどういったお仕事をされてきたんですか?

石浦  若い頃はCD屋さんの店長だった頃もあり、CDの仕入れ担当として商品の金額をつけたり、そういったことをしていました。

——  なるほど。どちらかというと、サービス業というよりは販売業を主にされてたんですね。

石浦  そうですね。

——  それでもCD屋さんと音楽スタジオって、「音楽」というところでは繋がってる気がしますよね。

石浦  たしかに、そうですね。

——  そんな「音楽」では繋がっているお仕事なんですが、今までやってきたCD屋さんでの経験って、スタジオのお仕事に生かされてるなって思うところはありますか?

石浦  そうですねー。。。(笑)

——  ない?

石浦  (笑) えー、接客の仕事という面では、ずっと長くやってましたので、そこで慣れているところもありますし、それで、音楽スタジオって接客があんまり良くないイメージが多いって聞いたことがあって、だから逆に丁寧な接客をスタジオにも持ち込めたらいいなと思っています。

——  それは何故ゆえにそう思ったんですか?

石浦  んー、単純にお客さんに気持ちよくスタジオを使ってもらいたいってただそこですかね。

——  たしかに。昔の音楽スタジオって頑固おやじが、アンプの使い方とか、ドラムを力一杯叩くなとか、そういうところでいつも叱られる印象ありますね。まぁでもそれでいろんなことを学ばせてもらったところもありましたけど。でも今だったらみんな優しい店員のお店に行くと思います(笑)

石浦  そうなんですね(笑)

——  それでもっと言うと、ライブハウスもそんな感じで、チケット売れないならバンド解散しろ!とか言われて(笑)

石浦  今はライブハウスもスタジオもたくさんありますし、気分悪くなるなら別のところ使おってきっとなっちゃうし、代わりは他にもありますからね。古き良きところはあるかもしれないけど、それでも接客業という当たり前の部分はしっかりとやっていきたいんです。

——  ほんと、同感です。

 

スタジオエチュード引山店

石浦  先ほど、全く違う業界からこのスタジオエチュード引山店の店長になったと言ったんですけど、

——  はい。

石浦  楽器自体もやったことがなくて、

——  え!?そうなんですか!?でもCD屋さんだったから音楽には沢山触れてきたんですよね。

石浦  そうですね。音楽は沢山聴いてきましたね。

——  聴く専門?

石浦  そうなんです。それでここまで生きてきたんですけど、以前、友人からギターを、レスポールというエレキギターを譲ってもらったことがあったんですけど、最初の調弦、チューニングで早くもつまずいてしまいまして、

——  いやー、それは(笑)

石浦  (笑) そこからレスポールは部屋のインテリアと化してしまいまして、

——  ま、レスポールはインテリアとしても映えるギターですから。

石浦  ほんとかっこいいギターです。

——  でも、スタジオの中には沢山機材があるじゃないですか、アンプとかドラムセットとか、音響ミキサーとかマイクとか。それらの使い方とか、全く知識がないまま店長になったんですか?

石浦  完全にゼロからのスタートでしたね。

——  ってことは店長になって2ヶ月で機材の取り扱いもだいぶ覚えたんですか?

石浦  そうですねー。 最初はシールドの巻き方、八の字巻きっていうんですかねー。それも一本巻くのに10分、15分かかって、で、結局巻き方が違ってたとか。

——  (笑)

石浦  まぁ今ではだいぶスルスルと巻けるようになりましたけどね。

八の字巻き

——  今、失敗談を少し教えていただいたんですけど、この2ヶ月でやってしまった大失敗な話は他にもありますか?

石浦  それはですねー、お客さんが利用したスタジオを引き上げに言った時にマイクとケーブルが繋がったままになっていたので、片付けようとマイクからケーブルを抜こうと、

——  はい。

石浦  そこでなかなかマイクからキャノンケーブルが抜けなくてですね、あれ?おかしいなと、

——  は、はい。

石浦  ま、それで、ちょっと、勢いをつけて、強引に、というか、引っ張ってみたんですね。

——  あー(笑)

石浦  ま、そうやって抜こうとしたところ、マイクの中身が「おぇ~」っと出てきてしまいまして、

——  「おぇ~」っと(笑)

石浦  マイクをダメにしてしまいました。

——  いやー、それは気の毒(笑)

石浦  それで一日凹みました(笑)

——  (笑) ま、気分を変えて(笑) 音楽スタジオの店長の仕事で、こういうとこ楽しいな、こういうとこ嬉しいなってとこないですか?

石浦  そうですねー。。。

——  ないんかい!(笑)

石浦  んー、あ。まぁ地元の小さい音楽スタジオですんで、身近に感じてくださるお客さんがいまして、

——  はい。

石浦  いつもお世話になってるからって、旅行のおみやげをいただいたり、これ沢山買ってきたからよかったら飲んでと紅茶をいただいたり、そういったお客さんとの近さを感じる瞬間っていうのは、なんだか楽しいなぁ、って思いますね。

——  いいですねー。

それも店長がもしぶっきらぼうだったらそういった体験に巡り合わなかったかもしれませんよね。

石浦  そうかもしれないですね。

——  また石浦店長が新米店長だということも、お客さんも理解していただいているからこそ、そういった心配りや思いやりを与えてくださるんでしょうね。類は友を呼ぶとはこのことかもしれませんね。

石浦  そうでしたら本当に嬉しいです。

——  それでは最後に、石浦店長、スタジオエチュード引山店の目標を教えてください。

石浦  はい。 まぁ僕が素人っていう部分が大きいのかもしれないんですけど、プロ御用達のお店というよりかは、地元の人たちが気軽に立ち寄ってくれるような、そんなお店にしていきたいなと思います。

——  本当にお身体に気をつけてがんばってください。 ありがとうございました。

石浦  ありがとうございました。

 

今回は店長2ヶ月の石浦店長にお話を伺いましたが、

今回は第一回ということで、二回、三回と続編で、半年経った店長、一年経った店長、その後も継続的にインタビューしてみたいなと思いました。

また、店長の変化はお店の変化にも繋がっていくと思うのでそういった部分も含めて次回を心待ちにしてくださいね。

 

 

スタジオエチュード引山店店長

スタジオエチュード引山店 石浦店長
CDショップ店長、マーチャンダイザーを経て、

2020年から、今まで全く経験したことのないスタジオ業界の店長として毎日奮闘している。